作家志望の不定期ブログです。
無色の翼、鳥は何処に向かうのか?
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ポンコツ警部と閉ざされた金庫の死体(6)
2011-09-23-Fri  CATEGORY: 閉ざされた金庫の死体
ようやくクローズドサークルっぽく
物騒な感じになってきましたね。

ポンコツシリーズは難易度高くないので、
割と簡単に推理できると思います。……多分w
さすがにヒント入れ過ぎたなーと思って、
一部弄りましたが、それでも
そんなに難しくないです。

・ポンコツ警部と閉ざされた金庫の死体(1)
・ポンコツ警部と閉ざされた金庫の死体(2)
・ポンコツ警部と閉ざされた金庫の死体(3)
・ポンコツ警部と閉ざされた金庫の死体(4)
・ポンコツ警部と閉ざされた金庫の死体(5)
・ポンコツ手帳(閉ざされた金庫の死体)1ページ目
・ポンコツ手帳(閉ざされた金庫の死体)2ページ目
・ポンコツ手帳(閉ざされた金庫の死体)3ページ目
・ポンコツ手帳(閉ざされた金庫の死体)4ページ目
・ポンコツ手帳(閉ざされた金庫の死体)5ページ目
・川蝉庵の碑文



ポンコツ警部と
閉ざされた金庫の死体



食堂飛車の間に置かれた切断された人間の指。
それは残念ながら悪戯の類などではなく、本物の人間の指だった。
これによって少なくても、傷害事件が発生したことは確実になってしまった。そして、おそらくは殺人事件に繋がるであろうことは容易に予想が付いた。


事件発覚後、俺達は全員の安否確認を行なうことになった。
まず飛車の間に集まっている人物。切断された指の発見者、牧野清美。彼女は腰を抜かして床にへたり込んでいた。彼女の悲鳴を聞き付けて、駆け付けた使用人は二人。藤堂家の専属料理人である三河重吾と、使用人頭大蔵の娘である大蔵礼子。

俺達同様に悲鳴を聞き付けて姿を現した者もいる。静香も俺達に遅れて飛車の間に来た。彼女は昨夜、市井警部と睦美の三人で一緒の部屋にいたらしい。市井姉妹が走った後を付いてきたようだ。
それと、大学教授の川端友平が最後に現れ、切断された指を見て腰を抜かしてしまった。ミステリは好きらしいが、本物の血は駄目らしい。青い顔をして、すぐに飛車の間から出ていった。

現在、安否を確認できていないのは、銀司一家と桂馬一家、使用人頭の大蔵と冠弁護士、あとは安福医師。

市井警部はまず飛車の間に集まった人達を大広間に移動させ、俺に他の者達の無事を確認してくるように命じた。俺は大蔵の娘礼子を連れて、所在不明の者達の部屋へと向かった。

……詳細は省くが、自室確認によって安否が確認できたのは、夕実、大角、飛鳥、冠弁護士、安福医師の五人。

そして、自室ではなく別の場所で発見された人物は、銀司の妻、敦子。

彼女は本来いるべき部屋ではなく、三階親族用客室の左桂の間にいた。彼女はよく銀司と喧嘩をするらしく、息子の隣部屋である左桂の間で寝ることが多いそうだ。つまり、左桂の間は敦子にとって二つ目の自室だそうだ。


これによって自室確認で発見できなかったのは、銀司と大蔵の二人だけとなった。


さて、先程自室確認の下りで詳細を省いたが、ここで少し詳しく状況を説明し直そう。自室確認で最初に向かったのは、藤堂家当主代行である銀司がいるはずの王将の間だった。しかし、王将の間のドアをノックしても返事はなく、なおかつ施錠されていて中を確認することは出来なかった。

当主の部屋である王将の間はマスターキーでは開けられず、開錠できる鍵は二本しかない。一つは銀司が持つ鍵と、もう一つは大蔵が持つ鍵だけだ。つまり、王将の間を開けられるはずの二人が揃っていなくなっているため、王将の間は開けられなかった。

王将の間を除けば、この川蝉庵の全ての部屋をマスターキーで開けることが出来る。俺は使用人二人と一緒に、王将の間以外の全ての部屋を確認した。しかし、銀司と大蔵は発見できなかった。


「……王将の間を破りますが、いいですね?」


市井警部は、今安否が確認されている藤堂家の人物の中で最高序列者である桂馬に問う。

「……状況が状況です。仕方ありません。ただ、王将の間には藤堂家にとって重要な場所です。私も立ち会います」

「そうですね。人手が必要そうですし、念のため全員で行動しましょう」

俺達は全員で王将の間のある三階に向かった。
王将の間の扉はとても蹴破れそうに見えない重厚な物なので、初めからここから壊して入るつもりはなかった。侵入経路は窓だ。

三階の親族部屋には全てベランダがあり、それぞれ繋がってはいないが、飛び移れない距離ではなかった。だが、もちろん嵐の中で隣のベランダに飛び移るなんて危険な真似をする気はない。ベランダ間に梯子を置いて簡易性の橋を作り、命綱を付けて梯子の橋を渡るのだ。言うまでもなく、その危険な任務は俺の役目だ。

「ここをこうして、こうか? うし、これで絶対にほどけないはずだ」

俺は桂馬の自室である左金の間のベランダに出て、欄干に命綱を結んだ。山岳訓練の時に習った絶対に解けない結び方だ。これで足を踏み外しても死ぬことはない。

「私も結び目を確認します。…………大丈夫そうですね。これなら絶対にほどけません」

「よし。じゃあ、橋を渡してくれ」
「かしこまりました」

今いる使用人の中で唯一の男である三河が梯子を抱え、王将の間のベランダまでの橋を作った。

「じゃあ、行ってくるぜ」
「先輩、慎重に……」
「あぁ、わかってる」

俺は不安定な梯子の橋の上に乗った。予想以上に揺れるし、大雨のせいで滑る。
だが、市井警部と三河が必死に梯子の橋を支えてくれている。俺は恐れず、なおかつ慎重に梯子の橋を渡り、王将の間のベランダに降りた。

「おい、中には誰もいないか!? おい、聞こえるか!?」

窓からノックをしながら、室内の様子を見渡した。人影らしき物は見当たらなかった。
しかし、王将の間は事務室とベッドルームが分かれている造りになっていて(正確にはバスルームもある)、ベランダから確認できるのはベッドルームだけだ。ここから見えないだけで、まだ事務室の方に銀司か大蔵がいる可能性はある。

ちなみに、王将の間も他の親族の部屋も一階の客室も全て同じ広さなのだが、王将の間だけはベッドルームと事務室の二ブロックに分かれていた。それでも各ブロックは俺のボロアパートの部屋より広い。

「……鍵は掛かっているな」

窓の施錠を確認。ガチャガチャと弄るが、開きそうにはない。
予め用意していたガムテームを取り出し、それを窓ガラスに貼っていく。そして、ガムテームの貼られた上から金槌で叩いて窓ガラスを割っていく。砕けたガラス片はガムテープと一緒に落ち、後は残っている部分は適当に砕く。

腕が充分に通れる穴を開けられたら、そこから腕を入れて窓の鍵の開錠を試みた。

「あァ? 固ぇ……!何だ、この鍵? こ、この! ふざけんな! くぉら! 開け、ゴラァ!! ぐぬぬぬ……!! ふんッ!!」

やたら固い鍵を開けて、命綱を解いてベランダから王将の間に侵入した。

「おい、誰もいないのか!?」

返事は期待していないが、それでも声を飛ばした。
ベッドの布団を捲ってみたが、やはりいない。クローゼットを開けるが、いない。机の下にも当然いない。バスルームも確認するが、やはり誰もいなかった。
ベッドルームで人間が隠れられそうな場所をざっと見渡し、俺は事務室に続く扉に手を掛けた。

脳裏に過ぎる最悪のイメージ、その鉄臭い妄想を噛み殺して扉を開けた。
侵入した事務室をざっと見渡すが、ここにも人影はなかった。

俺は肺の奥に溜まっていた重い空気を全部吐き出し、少しだけ安堵した。人が隠れられそうな場所を探すが、やはり銀司も大蔵もいなかった。
これ以上、俺が出来ることもなさそうだったので、廊下側の扉を開けようとした。

「って、こっちも固ぇ! ……んん!」

窓と比べる簡単に開いた。しかし、それでも普通の鍵にしては固い部類に入る。
王将の間の扉を開けると、不安そうな顔をして待っていた藤堂家の者達と目が合った。

「主人は……、主人はいましたか!?」

銀司の妻、敦子が真っ青な顔で食い掛ってきた。俺は興奮して突進してくるイノシ……ではなくご婦人の肩に手を置き、神妙な表情で首を横に振った。

「……いえ、姿は見えません」

「では、主人は一体どこに……!? どこに行ってしまったと言うんですか!? 屋敷中探したというのに、どうして見つからないんですか!? あぁ……、どこに行ってしまったの、あの人は……」

「落ち着いてください、奥さん。ご主人は必ず見つけますから」
「先輩、中の様子はどうでした?」

「御覧の通り、もぬけの殻だ。とりあえず全員廊下に立たせておくのもなんだし、中に入ってみろ」

今いる全員、十五人が王将の間の中に移動する。
彼等は室内を見回して、異常らしき物がないことを確認して安堵する。だが、ここにも銀司と大蔵がいないことに怪訝そうな表情を浮かべていた。

「ここにもいないとなると、探す場所は外しかないか?」
「と言っても、外にあるのは庭園と、港にある待合用の小屋くらいしかありませんよ」

「でも、この嵐の中、雨を凌げるのは屋敷しかないはずだろう?」
「そうね。庭園にある東屋じゃあ、この雨は……」
「ですが、外を探す必要はあるでしょうね……」

「同感だ。最悪、雨を凌ぐ必要のない状態になっている可能性もあるだろうしね……」

「そんな可能性はありません! 主人はきっとどこかで無事にいてくれます! あの指だって悪質な悪戯に過ぎません!」

家人や客人が各々にいなくなった二人の行方について語り出していた。
だが、すでに切断された指を知っているだけに、二人の生存に悲観的な考えを持っている者が多いようだった。

あの指の主が銀司か大蔵かは判断できていない。
中高年男性の指だと思われるが、それ以外に特徴はなかった。いなくなった二人には多少体格の違いはあるが、銀司も極端に太っていた訳ではなく、大蔵も極端に細いという訳でもない。二人とも老齢で年齢も近いため、指だけで人物を特定するのは難しかった。

「んっ? 何だ、この山積みの書類は? ……兄さんの仕事上の書類か? ……土地の権利書? こっちは債券の……? こんな無造作に置いてあっていいような書類じゃないぞ? 何でこんな所に、こんな積み上がっているんだ……?」

桂馬が事務室の机に置かれていた大量の書類を見て、驚いた声を上げた。

「あぁ、本当ですね。金庫とかに厳重保管しておくべき書類がこんなに……。いくら泥棒の危険がないからと言って、こんな無造作に置いておくような物じゃありませんね。ここには金庫はないんですか?」

「いえ、隠してあります。確か、ここにスイッチが……」

桂馬は事務机の裏に回り、何かのスイッチを押した。
すると、本棚がズズズと音を立てて動き出す。金持ちの屋敷らしい仕掛けだ。本棚が横にずれると、そこには人間一人が隠れられそうな大きさの巨大な金庫が鎮座していた。
おそらく俺以外の者も同じ想像をしたのだろう。この場にいるほとんどの者が不気味な物を見るような目で、その金庫を見つめていた。


「……すみません、この金庫を開けてもらえますか?」

「そ、それが……、その……、この金庫の鍵は指紋認証式の金庫でして……、当主代行である兄……、藤堂銀司以外には開けられません……。普通の鍵もあったと思いますが、それも常に兄が持っていて……」

「指紋……、認証……」


指紋認証……。
すなわち、指の鍵……。
恐ろしい想像が脳裏を過ぎり、全身の毛がブワッと逆立った。息を呑んで後退りする者や、小さく悲鳴を上げる者もいた。

誰もが同じ想像をしてしまったのだろう。切断された指が残された本当の意味を。碑文風に言うならば、犠牲者の骸こそが新たな時代を切り開くのに必要ということだ。

あの指は惨劇の劇場へと至る扉を開ける鍵。


「……普通の鍵なら、この部屋の中にあるんじゃないか?」
「そ、そうですね、少し調べてみましょう……」

一同は室内を調べて、金庫の鍵を探した。
しかし、結果として金庫の鍵は見つからず、また王将の間の鍵さえも見つからなかった。

金庫の鍵はともかく、何故この部屋の鍵まで見つからないのだろうか。まさかこの嵐の中、どこかに外出しに行ったのか。碑文の謎が解けたのならば、その可能性は否定できない。だが、それならば、市井警部がその可能性を指摘するはずだ。まだ彼女が仕掛けたアレは有効な状態なので、碑文の謎が解けたとしても外に行く前に騒ぎになるはずだ。

いくら探して見つからない鍵。
唯一開かれていない最後の密室である巨大金庫。
そして、意味ありげに食堂に置かれた指。

結局、俺達はあの指を使って金庫が開くか確かめる必要があるようだった。そうしなければ、この閉ざされた密室を開けることは出来ない。

「……あの指を持ってきて、金庫が開くか試しましょう」

市井警部の一言は重く響いた。
誰も積極的に頷きたくはなかったが、それ以外の選択はなさそうだった。
ドアの近くにいた者達から順番に部屋を出ていった。施錠は出来ないので、俺と市井警部もさっさと部屋を出てしまう。遅れて何人かが続いて出てきて、全員で食堂へ戻っていった。

『旅人よ、王の背後に潜む二人の従者を見つけ出し、
 愚かな王と従者を八つ裂きにせよ』

切断された指と共に、血で綴られたメッセージ。
川蝉庵の碑文において、もっとも血生臭い部分の抜粋。何故、切断した指と、『八つ裂き』というメッセージを一緒に残したのか。このメッセージを文字どおりに解釈すると、恐ろしい想像が浮かんでしまう。

願わくは、恐ろしい想像が外れてほしい。
誰もがそう願っていただろう。

切断された指は、市井警部ではなく桂馬が持つことになった。最悪の可能性を考慮すると、市井警部が持った方がいいのかもしれないが、まだその可能性は確定していない。開ける金庫が藤堂家にとって重要な物なので、今は当主代行に次ぐ者が金庫の鍵の可能性である指を持つことになった。

切断された指は、彼のハンカチに包まれる。
ハンカチに包まれた指を持ち、俺達は再び王将の間に戻った。
そして、金庫の前に全員が集まる。

「……開けてください」
「わ、わかりました……」

桂馬は恐る恐る切断された指を握り、金庫の指紋センサーに近付けた。金庫の鍵の開閉を表示するLEDの色が、赤から緑へ切り替わる。つまり、この指が紛れもなく藤堂銀司の物であることの証明。
そして、金庫は重厚な扉を開かれる。その様子はまさに死者のために開かれる地獄の門のようだった。

………………。
…………。
……。

雷鳴と悲鳴。
二重密室の向こうには惨劇が待っていた。
開かれた金庫の中には、バラバラに八つ裂きにされた藤堂銀司の遺体が無造作に放り込まれていた。










金庫の中から発見されたのは、藤堂銀司の遺体だけではなかった。
遺体と一緒に鍵が四本見つかった。王将の間を開くための鍵が二本、金庫を開けるための鍵が一本、そして用途不明の謎の鍵。合計四本の鍵。詳しくは後述するが、これらは全てこの密室を開くための鍵だった。

王将の間という密室の中にあった金庫。
その金庫に閉じ込められていた死体と鍵。
……つまり、これは二重密室ということだ。

これは、不可能犯罪ではないのか? 一体どうすれば、こんな密室を作り上げることが出来るというのか? 考えれば考えるほどに理解できない。

まず、金庫の鍵。
これは切断された銀司の指と、金庫の中に入っていた鍵しかない。他に金庫を開錠する方法は存在しない。
だが、その鍵は金庫の中。指は密室の外。

鍵を金庫の中に入れても、切断した指がある限りは金庫の開閉をすることは可能だ。しかし、問題は王将の間が密室であることと、その王将の間の鍵が金庫の中にあることだった。金庫の中に王将の間の鍵を入れてしまったら、王将の間の鍵を閉じることが出来ない。また、王将の間の鍵を閉めたら、その鍵をどうやって金庫の中に戻すというのか。

……どうやっても、この密室を構成することは不可能だ。

鍵なしで外から王将の間を施錠するトリックがあれば、この密室を作り出せるかもしれない。
だが、それも難しい。王将の間に入るためには二つの入口、扉と窓がある。そのどちらも内鍵が固い。何かしらの仕掛けで外部から施錠するのは難しいだろう。扉、窓共に隙間は一切なく、通れるのは糸か針金程度のものだろう。しかも、かなり細めの物でないと隙間は通らない。

仮に、糸や針金で外部から施錠をするとなると、例えば鍵に巻き付けて強引に引っ張らないといけない。そうすると、必然的に鍵に跡が残る。だが、そうやって糸か針金などで強引に引っ張ったような跡は残っていなかった。

現状、この密室を構築したトリックは不明。

次に金庫に入れられていた銀司の遺体についてだが、遺体は頭部、胴体、右腕、左腕、左拳、右足、左足の七つに切られていた。これに切断された指(遺体を確認した結果、右手の物と判明)を加えると八つ。まさに八つ裂きという状態だった。

バラバラ殺人の死亡推定時刻を判断するのは難しい。医者である安福に検死してもらったが、その死亡推定時刻はあまりアテにならないだろう。どのみち、犯行は深夜になるので、おそらくほとんどの者にはアリバイがない。この殺人は、アリバイどうこうと言ったところで犯人を特定する手掛かりにはならないだろう。


切断された左拳には二枚の紙が掴まれていた。それを引っ張り出してみると、一枚目の紙には『愚かな王と……』、二枚目の紙には『焼却炉』と書かれていた。

一枚目の紙の文章はこれまで残されたメッセージと同じように川蝉庵の碑文から抜粋されたものだろう。しかし、二枚目の『焼却炉』という単語は碑文の中にはない。これはおそらく、もう一人の行方不明者がいる場所なのだろう。



俺達はこのメッセージに従い、川蝉庵の母屋から少し離れた場所にある焼却炉に向かった。そして、そこで黒焦げのバラバラ死体になっている大蔵玉露を発見した。

何故、そこで発見された遺体が大蔵玉露と断定できたかというと、焼却炉の前に置かれた場違いな金庫の中に切断された大蔵の頭部が入っていたからだ。王将の間の金庫で発見された用途不明の鍵は、この金庫を開ける物だった。

つまり、先に焼却炉で死体を発見したとしても、結局は王将の間の金庫を開けない限り、大蔵の死を確認することは出来ない仕掛けになっていた。

焼却炉の中には焼け焦げた胴体、右腕、右手人差し指、左腕、左拳、右足、左足が残っていた。これが大蔵玉露の身体と特定できる要素はないが、消去法的に間違いなく大蔵玉露の遺体だろう。金庫に入っていた遺体は体格的にも銀司の物で間違いなかった。
焼死体というは死亡を誤認させる古典的なトリックに使われることがあるが、大蔵の死体は紛れもなく本人だった。

あぁ、それと直接的に事件には関係ないが、この焼却炉にも犯人のメッセージが残されていた。焼却炉の前に置かれた金庫の中から紙が出てきて、そこには『……従者を八つ裂きにせよ』と書かれていた。
銀司の遺体と共に見つかったメッセージと合わせると、『愚かな王と従者を八つ裂きにせよ』ということになる。

これはつまり、見立て殺人……。
何者かが川蝉庵の碑文に沿って殺人を行なったということだ。

ふざけやがって……!! あの碑文は、こんな殺人を起こさせるための物ではないはずなのに……!! 犯人、てめぇには『新たな時代を切り開く』資格はない!!









あとがき

ギャグがないですねw
とても真面目です。ポンコツシリーズじゃないみたいですw
まぁ、このシリーズは事件状況の説明については
あっさり風味ですからね。

動揺したり恐怖したりした人間の様子とか、
悪化していく人間関係とかは、そんな書くつもりはないです。
基本、ギャグですからね、ポンコツシリーズは。
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