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無色の翼、鳥は何処に向かうのか?
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ポンコツ警部と閉ざされた金庫の死体(2)
2010-11-14-Sun  CATEGORY: 閉ざされた金庫の死体
事件、まだ始りませんww
っていうか、登場人物さえまだ全員出てません。

あっ、でも、登場人物とかは
そのうちまとめようと思います。
一応ミステリー? なので?

・ポンコツ警部と閉ざされた金庫の死体(1)



ポンコツ警部と
閉ざされた金庫の死体



前回までのあらすじ。
俺の優雅な休日は突如現れたポンコツ達の手によってぶち壊された。
今は何故か、絶海の孤島にある不気味な屋敷にいる。

……何故か?

そんなことは俺が一番知りたい。
いきなりハンカチが迫ってきたと思ったら、次の瞬間に孤島の屋敷にいたのだ。俺が事情を知るはずがない。
という訳で、ここはわかる奴に説明させるのが一番だろう。


「で、どういうことか説明しやがれ」


ひとまず目を覚ました途端に視界に入ってきたポンコツ初号機をぶん殴って正座させて、事情を聞き出す。


「とてもとても頭がガンガンして話すのも億劫なんですが……」
「それは自業自得だ」

「……なんか非常に納得いかないんですが、まぁいいです。ここは私の大学時代の友人、藤堂静香とリアル華麗なる一族が住まうお屋敷です。いや~、これまで何度か呼ばれたことがあるんですが、相変わらずの胡散臭さ爆発です」


仮にも友人の一族を胡散臭いというのはどうなのだろうか?
まぁ、それがポンコツクォリティか。別に俺には直接影響はないのでどうでもいいことだ。


「……で、どうして俺がそんな胡散臭い華麗なる一族の屋敷に?」
「まぁ、特に理由はないんですけど」


容赦なく、本気でぶん殴る。
冗談だろうと本気だろうとムカつくことに変わりないので、殴っておいて損はない。っていうか、まだ殴り足りない。


「痛いです! 乙女の頭を太鼓か何かと勘違いしてポンポン叩かないでください! いくら私の頭がいい音を出すからって!」

「てめぇは人の休日を、特に理由もなく潰したってのか!?」
「そうですよ! 何か悪いんですか!」

「何で開き直ってんだ、てめぇは!? 返せ、俺の休みを!!」

「だから、この胡散臭い華麗なる一族のパーティに招いてあげたじゃないですか!? 何が不満なんですか!?」

「そこに俺の意志が一ミリも含まれてねぇからだよ!! 俺がいつ胡散臭い華麗なる一族のパーティに出たいなんて言った!?」

「前に生ハムメロンが食べてみたいって言うから、胡散臭い華麗なる一族のパーティに連れてきてあげたんですよ!? そんなこと言うと、私が全部食べちゃいますからね、生ハムメロン!!」

「てめぇは生ハムメロンを食べたいって奴を見かけると、問答無用で休み潰して胡散臭い華麗なる一族のパーティに連れていくのか!? しかも、拉致紛いな真似しやがって!!」



「……あの~、あまり胡散臭い胡散臭いと連呼しないでほしいんですが……?」



「「あァ?!」」
「ひぃぃ!?」


急に割り込んできた聞き慣れない声に俺は首を傾げながら振り返った。
そこには見るからに育ちの良さそうな上品な女性が、怯えた様子で俺達を見つめていた。

……一体誰だ、このお嬢は?

年齢はポンコツと同じくらいだろうか。涙で潤んだ瞳は二重で大きいが、どこか気弱そうな印象を与える。緩やかなウェーブの掛かった長髪の美女だ。今は質素なワンピースを着ているが、溢れる気品は彼女の内面から滲み出ていた。


「ガクガクブルブル……」
「あっ、静香。何怯えているんですか?」

「静香って……、あぁ、胡散臭い華麗なる一族のご息女様か?」

「はい。胡散臭い華麗なる一族のご息女で、私の親友ですよ。一族自体は胡散臭くて仕方ないですが、静香は今時珍しいくらいに奥ゆかしいいい子ですよ。私と同じですね」


最後の一言にイラッとしたが、とりあえず今はスルーしてやる。
今は、目の前の胡散臭い華麗なる一族のご息女のことが気になった。何故、このお嬢様はポンコツの親友なんて理解不能な慈善活動を行っているのだろうか。やはり、金持ちの感覚は庶民と懸け離れているのだろうか。


「だから、胡散臭い胡散臭いと連呼しないで……」

「でも、事実ですよね? こんな孤島に屋敷を建てる輩はただの変態ミステリーマニアか、胡散臭い華麗なる一族のどちらかと決まってます。静香、残念ながら貴方の一族が胡散臭いのは紛れもない事実です」

「そんなッ!? ち、違いますよね!?」


静香嬢は縋るような瞳で俺を見る。
だから、俺はキッパリと真実を口にしてやった。


「ポンコツの仲間は誰だろうと胡散臭ぇ」
「私まで胡散臭い扱いに!?」


リアクションが大きいな。
こいつは弄ると意外と面白い奴かもしれない。


「それより、初対面の人には自己紹介をするべきですよ。それくらい常識です、常識」

「どの口で常識を語るか、てめぇは」
「まさか、キューちゃんに常識を語られるなんて……」

「自己紹介もせずに結託して酷いこと言わないでください! 大体、その言い方だと、まるで私に常識がないみたいじゃないですか! このミス・常識人の私に向かって、そんな暴言は許されません!」

「「……はぁ~、やれやれ……」」

「何ですか、その心底呆れたシンクロ溜め息は!? ってか、先輩はいつもみたいな乱暴な突っ込みしないんですか!?」

「とりあえず喚くな。事態が収拾できない」


事件が起きてない時にポンコツを喋らせておくと、事態はグチャグチャになるしかない。ひとまずヘッドロックで締め上げて、しばらく口を封じておく。

で、何故かまた怯え始めた静香から事情を聞き出した。

まず、この孤島の屋敷は『川蝉庵』と言うらしい。
川蝉庵は、藤堂家所有の屋敷の一つで、前当主が私財を投じて島ごと買収して建造した物だった。川蝉庵完成後、前当主はこんな孤島にある不便な屋敷に引き篭もって一生を終えた。
前当主は偏屈なミステリーマニアとして有名な人物で、生前から公示していた碑文の謎を解けた者に家督と全財産を譲ると明言していた。

川蝉庵の碑文。
その謎を解くため、藤堂静香がポンコツを呼び寄せたのだ。

非常に不本意で認めたくない事実であるが、市井玖子という人物の頭脳は常人とは懸け離れている。冗談的な意味でも常人と懸け離れているが、その優秀さは残念ながら否定できない。ポンコツに解けない謎はない。

ちなみに、俺が呼ばれた理由はボディーガードだった。
敢えて説明するまでもないと思うが、碑文の謎を解いて前当主の遺産を狙う者は藤堂静香だけではない。彼女の叔父達や従兄弟達、その協力者達。万一、静香やポンコツの安全を守れる人間が必要だった。


「……なるほどな。ようやく話がわかった」
「んみゃ? 私、何でこんな固い床で寝てるんですか?」

「てめぇはもう少し寝てろ」
「ふぎゃッ!?」


起き出したポンコツの頭を踏みつけ、二度と動かないように潰しておく。いっそもう目覚めないでくれると助かる。


「おい、藤堂。事情はわかった。非常に不本意極まりないが、ボディーガードの件は引き受けてやる」

「えっ……? 本当ですか?」
「何かの間違いで死なれても目覚めが悪いからな」

「……私はてっきり『とっと帰りの船を用意しやがれ! さもねぇとぶち殺すぞ!』くらい言われるかと思ってました」


なるほど、この女が俺に対して抱いているイメージはよくわかった。
まぁ、ポンコツに対しては大体こんな感じの対応をするし、あながち間違ってもいない。だが、さすがに初対面の女性相手にそんな暴言を吐くほど落ちちゃいない。

あと、一応ポンコツにも手加減をしているぞ。
……一応、な。……稀に、か? ……イラッとした時、たま~に全力でぶん殴っている気がしないでも……? まぁ、いっか。どうせポンコツだし。


「きゅぅぅぅ……。頭が凄くズキズキするんですけど……、何だか記憶が飛んでるような……?」

「お前、いつまで寝てんだ?」

「……何故か先輩からそう言われると、とても釈然としない気持ちになってくるんですけど? っていうか、どうして私はこんなフカフカ絨毯の上で寝てたんですか?」

「お前の奇行は今に始まったことじぇねぇだろう?」
「失礼ですよ! 私は常に礼儀を重んじて真面目に生きているんですから、先輩みたいな訳のわからない行動をするはずがないんです!!」


全く、こいつは口を開けば勝手なことベラベラと……。
だが、これ以上余計なことを言って、いらん記憶を思い出されても面倒なので、とりあえず見逃してやろう。


「そんなことより、お前、胡散臭い華麗なる一族の遺産問題とかに協力することになったんだよな? どうなんだ、胡散臭い碑文の謎は、何とかなりそうなのか?」

「また胡散臭いって……」

「う~ん、ぼちぼち……ですか?」
「お前にしては歯切れが悪いな? 解けないか?」

「と、解けますよ! 私に解けない謎なんて宇宙外生命体が持ち込んだ謎くらいしかありません! 凡人が作った謎を、天才の私が解けないはずはありません! えぇ、絶対にないです!」


なるほど、解けてねぇのか。
まぁ、だが、こいつに解けない謎なんてないだろう。そのうち「解けました~!」とか言ってムカつく自慢をしてくるだろう。


「まぁ、面倒臭ぇ謎解きはお前に任すとして、俺はせっかくだし生ハムメロンでも食うかね? おい、飯はまだか?」

「ランチはもう終わりましたよ。生ハムメロンはさっきキューちゃんが全部食べ尽くしてしまったので、もうありません」

「あァ?! んだとッ!?」
「ひぃぃぃ!? ごめんなさい、ごめんなさい!!」

「お前に怒鳴ったんじゃねぇよ。いちいちビビるな、藤堂」


ポンコツの首を締めながら、藤堂静香にそう告げる。
まだ静香の性格は掴めないが、少々怖がりのようだ。コイツの近くで声を荒げないようにした方がいいかもしれない。

まぁ、とりあえず今は俺の生ハムメロンを全部食いやがったポンコツの息の根を止めることが重要だ。


「あ、あの、この屋敷にいる人間の半分以上は藤堂なので、出来れば静香と呼んでください。あと、食事は何か持ってこさせますので、キューちゃんをあまり苛めないでください」

「あァ? あ~……、まぁ、別に苛めてる訳じゃねぇんだけどな。前にこいつが言ったんだよ。他の刑事と同様に扱ってくださいって。だから、ムカつくこと言えばぶん殴るし、評価する点はしっかり評価してる」


これでも俺はポンコツ以外の女に手を上げたことはない。どれだけムカつく女だろうと。っていうか、ポンコツ以上に腹立たしい女なんて滅多にいないがな。


「そういえば、前に上司をぶん殴って問題起こしましたね。まぁ、あの時、私があのオッサンの不正の証拠を上げなかったら確実に首飛んでましたよ」

「うっせ! それはそれで感謝してるっての! ってか、あの後お前に散々奢ったんだから貸し借りなしだ!」

「……あっ、これが噂に聞くSMの関係?」

「違ぇよ!!」
「違いますよ!!」

「ひぃぃぃ!?」


う、鬱陶しい……。
ポンコツみたいにピーチク騒ぎ続ける奴もムカつくが、こうビクビクした奴も扱いが面倒だ。さすがにポンコツ以外の女を殴る訳にいかないので、適当に宥めるしかないか。


「そんなビビるなっての。怒ってる訳じゃねぇんだから」

「す、すみません。……あっ、私、何かお食事を貰ってきますね。あと、三河さんに生ハムメロンが残っていないか聞いてます」


ビクビクした表情の静香は後退りするように部屋の扉まで行くと、脱兎のごとく出ていった。食事を取りに行ったというより、逃げ出したと言った方が正しそうだ。


「随分怖がられてましたね、先輩? 静香に何かしたんですか? そのヤクザフェイスで迫ったりしてませんか? 先輩が女性を口説くって行為は、恐喝か婦女暴行に当たるんですから気を付けてくださいよ。私、先輩にワッカを掛けるなんて嫌ですよ」

「別に何もしてねぇよ。単純にビビられただけだ」
「まぁ、先輩は極悪ヤクザフェイスですからね」

「黙ってろ、ボケ。……で、何だか面倒事に巻き込まれたみたいだな? 何だよ、こんな胡散臭い華麗なる一族の遺産問題って? まさかとは思うが、本当に危険なのか?」

「……多分大丈夫でしょう。心配ないです」
「……つまんねぇ嘘を吐くな。何か危険な臭いをかぎ取ったから俺を呼んだんだろ。こういう時は黙って頼れ」

「……先輩のそういうとこ好きです」


俺は軽く鼻を鳴らして、窓の向こうに視線を向けた。
暗い曇天が続く鈍色の空。飢えた嵐が獲物を求めて近付いてくる。間もなく荒れ狂う暴風雨によって、この絶海の孤島は閉ざされるだろう。

この時の俺はまだ気付いていなかった。これから始まろうとする凄惨な事件の足音を。すでに事件の影は俺達の背後まで近付いていた。









あとがき

碑文とか思い付かなきゃよかった(>_<)
今ウガーと唸りながら考え中です。
屋敷の名前はヒントになるはずです。……多分。

とりあえず、
登場人物とか屋敷とか碑文とかは
本編とは別に書こうと思ってます。
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コメント

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No title
コメントゆさ | URL | 2010-11-15-Mon 00:46 [編集]
こんばんは~。

珍道中が続いてますね(笑)。
警部さんと猪井さんのかけあいが面白いです。
そうかーこの2人ってSMだったのk(←ポカッ!)

静香さんの猪井さんは、警部さんに関する見解としては気が合いそうですね(^ ^;)。

どんな展開になるのか楽しみです。
Re: No title
コメント遠野秀一 | URL | 2010-11-15-Mon 01:14 [編集]
ゆささん、コメントありがとうございます。

あの二人を勝手に喋らせておくと、
本当に話が全く進みませんw

次回は登場人物が増えてきます。
碑文とやらも出てきて、ミステリーっぽくなる……はずですwww
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