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無色の翼、鳥は何処に向かうのか?
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大きな樹の下で 第八話「着ぐるみ理論」
2010-07-08-Thu  CATEGORY: 小説:大きな樹の下で
えぇ~っと、また本編更新まで一ヶ月の間が……。
どうにも最近こっちは忘れがちです。

いや、基本的に突発なんで話の続きがね……。

まぁ、それはさておき。
胡桃の立ち位置に微妙に迷ってます。
もう本当に思い付きで出したから何も考えてなくて……。

弄りキャラは確定なんですがw

恋愛方面で絡んでくるののかってのが……?
まぁ、個人的には小豆と珠樹だけで十分かなーと思ってるんですが、
需要はあるのかなぁ~と?

要望があるなら、次のAFネタにでもしようかと考えてます。

っていうか、本当にAFって便利。本当に好き勝手にやれるからw
本編の歩みが遅いから、書きたくても展開的に無理とか、
設定無視して色々書けるし。

と、胡桃語りはこの辺にして本編開始です。
タイトルから想像できると思いますが、胡桃のターンです。

・第一話「はじまりのはじまり」
・第二話「大きな樹」
・第三話「ワンコの気持ち」
・第四話「タマヒメ」
・第五話「一年八組の愉快な仲間達」
・第六話「君の旋律を聞きたい」
・第七話「はじめてのライバル」



大きな樹の下で
第八話「着ぐるみ理論」


「それでな、大樹ってあぁ見えて子供の頃はワンパクで、私はいつも振り回されてたんだぞ?」

「へぇ、そうなんだぁ。ちょっと意外かも」

正直、女の子ってわからない……。
小豆は珠樹に対してあまりいい印象を持っていないと思っていた。実際に小豆は最初、珠樹に噛み付きそうな勢いだった。しかし、いつの間にか珠樹の天然無害オーラに飲み込まれ、すっかり意気投合していた。

……まぁ、それ自体はいいことだと思う。
ただ、話題が僕のことばかりってのが……。

小豆が出す話題にはいろいろと物申したいのだが、今はとにかく我慢しよう。せっかく小豆と珠樹が仲良くなり始めているのだから、邪魔をしてはいけない。

しかし、女子が仲良くなるスピードはいつも驚かされる。
何となく置いて行かれた感じだった。ちょっと嫉妬してしまうな。

……あれっ? 嫉妬ってどっちに……? いや、どっちって……? そもそも、何でそんな発想が……?


「ふふ、何だか複雑そうな顔ね?」
「……そう見える?」


小豆と珠樹が一緒にいるため、僕の隣は必然的にこのネコの着ぐるみになる。……別に不満はないけど、何を話していいのかわからない。

「……えっと、名前なんだっけ? アンチョビ三四朗?」
「違う、一文字も合ってない……。僕は小魚じゃないから……」

「冗談よ、ウッディー」
「…………」

僕、この着ぐるみ苦手だ……。
まぁ、初めからすぐに意気投合できる自信なんてなかったけど。

「それにしても、さっきはタマと貴方に驚かされたわ。いきなり手を繋いで現れるんだから。あの子って本当は男子のこと、苦手なのよ? それなのに、出会ったばかりの男の子と手を繋ぐなんて、異常事態としか思えないわ」

「も、もう忘れてください……」

珠樹の身内にそんなことを言われると居た堪れなくなる。

「あんな面白い出来事、忘れる訳ないじゃない。次も期待しているわよ、ウッディー。いや、期待しているだけじゃ駄目ね。面白いことは自分で起こさないと。さて、小豆をそそのかすか、それともタマを騙してやるか、ふふふふふ……」

小豆、珠樹、逃げて!!
この人、危険人物だから!!

「もちろん標的は貴方よ、ウッディー♪」

一番逃げないといけないのは僕か!?

「さっきは何を考え込んでいたの? タマを小豆に取られて、悶々としていたの? それとも、逆パターンかしら? あっ、自分でもどちらに嫉妬しているかわからないから悩んでいたの?」

「うっ……」

悩みをズバリ言い当てられて、僕は思わず顔をしかめた。
胡桃は読心術でも使えるのだろうか。この着ぐるみなら何でも出来そうなので、絶対にないと否定できないのが不思議だった。

「一人取り残されたと思うなら、あの二人の話に加わったら?」
「いや、でも、せっかく二人が仲良くなりそうなんだし、邪魔したら悪いよ。……まぁ、話題的に入りづらいってのもあるけど……」

「そうね。今行っても弄られるだけ弄られて恥かくだけだしね」

それがわかっていて小豆達の話に加われと言ったのか、この着ぐるみは……。

「じゃあ、向こうは向こう。こっちはこっちで親睦を深める?」
「そうだね。せっかく胡桃さんとも友達になれたんだし」

「……貴方って、タマと同じで臆面もなく恥ずかしいセリフを言うわね。あと、名前は呼び捨てでお願い。さん付けは何だか気持ち悪いわ」

「気持ち悪いって……」

歯に衣着せぬ胡桃の物言いに苦笑してしまった。胡桃の憎まれ口は何故か憎めなかった。

「でも、そういうところがタマの琴線に触れたのかもね。貴方とタマ、性格というか思考が似通っている感じ。だから、お互いに惹かれあっているのかもね」

「まぁ、確かにそういう部分はあるかも。珠樹とは通じるものがあるというか、一緒にいると安心できるというか……?」

「……普通なら、そこは顔を赤くしてもいいと思うんだけど。まぁ、タマそっくりの貴方らしいわ。……貴方みたいな人がタマの側にいてくれると安心ね。あの子、最初の自己紹介で絶対にトチるから少し心配してたのよ」

「あっ、それなら、何とか乗り切ったよ。あがり症だっていうから心配してたけど」

「………………冗談でしょう? あの子のあがり症は筋金入りよ?」

胡桃は信じられないと言った顔をした。
彼女の反応は理解できなくもない。僕も一回見ただけだが、珠樹のあがり症は相当なものだった。今日上手く自己紹介が出来たのが不思議なくらいだった。


「タマに何したの、貴方? 私が今まで何をやっても全然治らなかったのに、あのあがり症……」

「いや、特に特別なことは何も……?」


多少アドバイスをして応援をしただけで、僕は本当に特別なことはしていなかった。あれは珠樹が自分で頑張った結果だ。


「……ねぇ、ウッディー」
「何?」

「本気で貴方にタマを預けてもいい?」


胡桃は先程までの悪戯っぽい笑みを止め、怜悧ともいえる鋭い表情をしていた。今の彼女の表情を見て、真剣という言葉が何故、真面目という意味を持つのか理解した。本気で真面目な表情になると、それはまるで刀剣のような鋭さを宿すのだ。

圧迫されるような緊張感が込み上げた。胡桃の真剣な表情に圧されて、背筋に嫌な汗が流れた。


「え、えっと……、預けるって?」
「タマのあがり症、治してほしいのよ」

「珠樹のあがり症を? そんなこと、僕には出来ないよ」

「出来るわよ! というか、貴方じゃないと無理!
 今まで私や家族がタマのあがり症を治そうと試みたけど、全然まったくこれっぽちも治らなかったわ。あの子が無事に自己紹介できたことなんて、今まで一度も出来なかったんだから」


まぁ、それは容易に予想がつくが、本当に一度も無事に出来たことがなかったのか……。本当に酷いあがり症だな。


「でも、貴方に会ってタマは変わったように見えるわ」
「そうかな……?」

「えぇ、絶対に変わったわ。貴方にならタマのあがり症を治せるかもしれない。だから、お願いよ、ウッディー。タマのあがり症を治してあげて。というか、治しなさい、この野郎。小豆から聞いた面白愉快なネタを尾びれ背びれ胸びれを付けて流すわよ」


小豆、この危険人物に何を言った?
とにかく、あとで絶対に説教してやる。危ない人には近付いてはいけないって何度も注意したのに。


「いや、脅さなくても、そういうことならいくらでも協力するよ……。だから、変な噂を流すのは止めて……」

「言質は取ったわよ。絶対に何とかしなさい」
「……どうして、そんなに珠樹のあがり症を治したいのさ?」

「貴方、私とタマがピアノをやっているって話、聞いた?」

「あぁ、うん。聞いてる聞いてる。胡桃って期待の新人ピアニストなんだって?」


見た目と反して性能がいいというか、天才と何とかは紙一重という奴だろうか。


「私のことはいいのよ。タマのことはどう聞いてる?」
「あがり症のせいでコンクールの結果出せてないんだって?」


僕はそう答えながら、先程珠樹と話していた時のことを思い出した。
自分のコンクールについて話している時の珠樹は、彼女らしからぬ暗い表情だった。根の深そうな悩みだと思い、出来れば何とかしてあげたかった。


「そう。だから、世間的にタマの評価ってのはどうしても低いの。それで、タマも自分の才能に自信を持てずにいるの。
 ……でも、本気のタマは凄いわよ。私が今、こうして世界的に評価されるようになったのも、あの子に負けたくないって頑張ったから。今だって、本気のタマに勝てる自信はないわ……。
 私は、私のライバルが誰にも認められていないのが悔しい。だから、あの子を表舞台に上げたいのよ」

「なるほど、それで珠樹のあがり症を治したいんだね」

「タマだって本当はみんなの前でピアノを弾きたいと思っているはずよ。だから、タマのためにあの子のあがり症を何とかしてあげて」


熱っぽく語る胡桃の瞳はこの上なく真剣だった。
あがり症のせいでコンクールの結果を出せない珠樹。ライバルの実力を知りながら評価されない現実にやきもきする胡桃。二人のためにも、珠樹のあがり症を治した方がいい。


「あぁ、わかったよ。やってみる……」


僕の力で珠樹のあがり症を治せるなら、何とか治してあげたい。
珠樹のために、胡桃のためにも……。


「……ありがとう、ウッディー」


胡桃はこれまでに見せたことのない優しい笑顔を浮かべた。その思いやりの満ちた笑顔は少しだけ珠樹に似ていた。

やっぱり、家族なんだな……。

面影が重なる二人の笑顔は、血の繋がった家族だからこその絆だ。だが、それ以上に深く想い合っている珠樹と胡桃に、家族としての繋がりを感じられた。


「むっ……! おい、大樹! 胡桃を口説くな!」
「ふぇ? 口説……って、駄目だよ、大樹君! そんなの駄目!」


胡桃と見つめ合っていると、突然前方から怒りの声が飛んできた。


「はっ? な、何言ってるんだよ、二人とも!」

「そうよ、誤解よ。私は口説かれているんじゃなくて、逆に口説いているのよ。ねぇ、ウッディー?」


胡桃は突然、意味不明なことを言い放って、僕の腕に抱きついてきた。ぬいぐるみなので凄くフカフカで気持ちよかった。……他意はない。というか、本当に生地が厚くて……。


「な、何してるんだ、馬鹿大樹!!」
「そうだよ!! 何しているの、大樹君!!」

「えっ!? ちょっと、僕は何もしてないよ!?」


僕は胡桃の腕を振り払いながら、無実を主張した。
しかし、小豆と珠樹は不機嫌そうに僕を睨んだままだった。隣では胡桃がこの上なく楽しそうな顔をしていた。

というか、どうして二人は怒っているのだろうか……?


「あらあら? 小豆はともかく、タマまで嫉妬深いなんて初めて知ったわ。ふふふ……、これは今後面白いことになりそうね……」


隣から聞こえる邪悪な笑い声にゾクッと生存本能が危険を訴えた。
何故か今後の学生生活に暗雲が立ち込めた気がする。多分、確実に、気苦労が増す展開が増えるだろう。そんな嫌な予感をヒシヒシと感じていた。

「おい、大樹! こっち来い!」
「そうだよ! こっち来て!」

右手を小豆に、左手を珠樹に強引に掴まれてしまった。

先程の話、僕の過去のやんちゃ話が続くなら正直逃げ出したかった。しかし、思いの外しっかりと手を握られていて、振り払えそうになかった。力押しでやれば逃げられないこともないが、それだと二人に怪我をさせそうなので出来ない。

仕方なく二人に連行されていく。
その後、僕にとって居心地の悪い話が続いたのは言うまでもなかった。しかも、何故か二人共、僕の手を離してくれなくて、周囲の目がとても痛かった……。




To be continued...



あとがき

珠樹と胡桃の関係については
もう少し後にしようかなーと思ったんですが、
すぐに出してしまいましたwww

まぁ、割と連想しやすいネタなんで
隠す必要もないかと思ったんで、すぐ書いちまいました。

さて、胡桃はこれからどうしましょうか?
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コメント

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No title
コメント水聖 | URL | 2010-07-08-Thu 00:45 [編集]
胡桃ちゃん、好きです。
性格的には3人の中で一番好きかもしれない。
大樹くんに対してまんざらでもなさそうで、珠樹さんと小豆ちゃんの様子を見るためにベタベタしてたはずが、いつの間にか、とかww
なきにしもあらず、って感じなんですがいかがでしょう?

ところで、さりげなく大樹くん「珠樹」って言いましたね、言いましたよねw
もう、誰が本命なんですか?この無自覚プレイボーイがwww
Re: No title
コメント遠野秀一 | URL | 2010-07-08-Thu 01:08 [編集]
水聖さん、コメントありがとうございます。

胡桃は何だか人気高いですね。
彼女がいると、ギャグパートはすいすい筆が進みます。
でも、恋愛パートではどうなるでしょう……?

ウッディーはいつの間にか「珠樹」って呼んでますねw
全く本命は誰なんでしょうねwww
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